認知症や障害によって、ものごとを判断する力が低下すると、自身で財産管理やサービスの利用手続きをすることが難しくなることがあります。成年後見制度は、支援者(成年後見人等)が本人に代わって金融機関の手続きや必要な福祉サービス等の契約を行ったり、本人にとって不利益な契約を取り消したりすることにより、権利や財産を守り、本人の意思を尊重した生活ができるよう支援する制度です。
成年後見制度の利用が望ましいと思われる案件
認知症、知的障害、精神障害があり、下記に1つでも当てはまる場合は、成年後見制度の利用をご検討ください。
- 日常生活に支障をきたすような行動や意思疎通の困難さが時々見られる
- 福祉サービスの内容が理解できず、本人に代わって契約の手続きが必要である
- 不動産処分や定期預金の解約手続きなどが必要である
- 生命保険などの請求の手続きが必要である
- 遺産相続の手続きが必要である
- 税金の申告が必要である
- 賃貸借契約の手続きが必要である
- 借金の整理、ローンの返済が必要である
- 裁判所の手続きが必要である
- 高額な買い物をしたり、消費者被害に遭ったことがある
- 借金をしたり、他人の保証人になってしまう
- 親族や親族以外からの財産侵害がある
ふく博士と学ぶ成年後見制度
詳細版
概要版
成年後見制度を利用すると・・・
事例1
成年後見制度利用前
認知症の母親が施設に入所することになり、その費用を用意するため母親の定期預金を解約しようと銀行に行ったが、「本人でないと解約できない」と言われてしまい、入所の手続きが進められない。
成年後見制度利用後
銀行での手続きができたし、施設への入所もできました!
事例2
成年後見制度利用前
物忘れが増えてきた実家の父親が使い切れないほどの健康食品を購入してしまった。悪い業者にだまされてしまったようだけど、これからも同じようなことが起きないか心配。
成年後見制度利用後
健康食品の契約を取り消すことができました!
悪い業者から父親を守ることができました。
事例3
成年後見制度利用前
知的障害があるけれど、普段のことは自分でできている。一緒に住んでいた両親が亡くなり、実家の相続を行なう必要があるけど、難しそう・・・
成年後見制度利用後
相続手続きも無事に終わり、この家で暮らし続けることができました